あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
<た> ダービー[derby] 「外羽根式(ブラッチャー)」のこと。同項参照。 タックス[tack] 小さく先の尖った釘で、つり込み作業に使用。先端は靴型の鉄板に当たって折れるか、鋲状につぶれるようになっています。 タッセル[tassel] 房飾りのことで、タッセルスリッポンもその一例。「スリッポン」参照。 ダブル・ソール[double sole] 本底と中底の間にもう1枚のソールを入れた、二重構造の本底。がっしりした労働靴などに用いる他、あくまでもデザイン的な要素として、底回りのボリューム感を出すためにつくられているものもあります。 タン[tongue] 舌革、または砂除け革をタンと呼びます。 短靴[shoe] トップラインが踝(くるぶし)より下にある靴。 タンニン[tannin] 底革など硬い革に仕上げるのに適した、植物性のなめし剤の一種。植物の種類や樹皮・幹・葉・実などにより含有量・性質が異なります。 タンニンなめし[vegetable tannage] 木の皮・小枝・木の実・葉・幹などから抽出した、タンニンによるなめしのこと。植物から採ったタンニンであるため「渋なめし」「植物なめし」ともいいます。硬くて伸縮性を必要としないものや、靴底などに使用。 <ち> チップ[tip] 爪先革の端に取り付けられる革片のことをいい、メダリオンなどの飾りが施されるものもあります。トウ・キャップとも呼ばれます。 チェーンステッチ[chain stitch] ちょうど鎖のようにつくるステッチ。いわゆるこの「鎖縫い」は一本の糸で縫い、糸は材料の穴を通って、前のひと縫いでできる輪を後戻りしながら通り、さらに前方へ進んで一方向へ縫いあげる方法。 チェスナット[chest nat] チェスナット(どんぐりの木の実)は、タンニンを含んでおり、タンニンなめしのなめし剤として使われます。 チェルシー・ブーツ[chelsea boots] イギリス、ロンドンのチェルシー地区の名がつけられた、サイドゴアのブーツ。 チャッカー・ブーツ[chukka boots] トップラインは踝(くるぶし)が少しかくれる程度のもので、純然たるブーツとは少し趣を異にします。主に紳士用。スウェードやベロアのブラッシュドレザーでつくられた二つ穴が多い。デザート・ブーツとも呼ばれます。 チャンネル[channel] ウエルト製法の場合、本底や中底を縫い付ける際に糸が通るよう、それぞれの縁に掘る溝。溝を掘る工程は「チャネリング」といわれます。 チロリアン・シューズ[tyrolean shoes] 高原や山歩きに向いたスポーティなシューズ。傾斜の多い草原で働く牧童たちに着用されていた丈夫な革製の靴で、アルプスのチロル地方で伝統的なチロリアン・ブーツがその原型です。通常、甲にはモカシンのようなU字型の袋縫いに粗いステッチワーク、靴底は頑丈なラギット・ソールなどが採り入れられています。 <つ> 月型[counter] 甲革と裏革の間に挿入し、靴のかかと部の型くずれを防止するもの。これにより、かかとのラインを美しく保つことができます。カウンターともいいます。 爪先上がり[top spring] 靴型や靴の底面の先端が上がっていること。ヒールの高さや底の厚さに応じて変化し、歩きやすさをもたらす大切な要件のひとつ。トウ・スプリングとの呼び名もあります。 爪先革[vamp] アッパーの前部の名称で、足の爪先部を覆う部分をこう呼びます。「つま革」「バンプ」とも。 積上げヒール[stacked heel or built heel] 何枚ものかかと革を圧縮し積み上げたヒール。「スタックド・ヒール」ともいわれ、積上げるかかと革は「積上げ(heel lift)」と呼んでいます。 つり込み[pulling over] 甲革部を靴型にはめて底部の周辺を引きのばし、靴型に合わせて周囲を小釘で靴型に止める作業。 <て> ディーコン[deacon] 生れたばかりの仔牛の生皮。 デシ[arch] わが国の皮革取引きにおける面積を表す単位(1デシは10cm平方角)。1958年(昭和33年)、メートル法の制定にともない、従来の「坪」(曲尺一尺四方)から「デシ」へ変わりました。DCはフランス語deciの略。 ティー・ストラップ[T-strap] 婦人靴の前部カット部分から、足の甲の部分に付けられたT字型の細いベルト。 デザート・ブーツ[desert boots] 軽快なアンクル・ブーツの一種で、甲革の前部を折り込み、甲革の左右内側にミシンで縫い付けてあります。もともとは砂漠(デザート)用であるため、靴の中に砂が入らないよう、こうした工夫がなされたもの。ブーツの型としては、「チャッカー・ブーツ」と同じ。同項参照。 デミ・ブーツ[demi boots] 短靴よりもトップラインが少し高い(くるぶしぐらいの深さ)ブーツ。 デッキ・シューズ[deck shoes] ヨットやボートの上ではく靴。すべらないよう切り込みの入ったラバーソール、水に強いオイルレザーを用いた甲、モカシンタイプの紐付き…これがデッキシューズの平均的なスタイル。中にはキャンバス地もあります。タウン用に着用することも普通になっており、甲の色がカラフルで、男・女・子供用、それぞれあります。 <と> トウ[toe] 爪先、靴の甲先。これには四角いスクエア・トウ、やや丸味のあるソフト・スクエア・トウ、丸いラウンド・トウ、尖ったポインテッド・トウ、爪先が斜線のオブリック・トウ、爪先の開いたオープン・トウなどがあります。 トウ・スプリング[toe spring] 「爪先上がり」のことをさします。同項参照。 床革[split leather] 床革(とこがわ)は、革を2枚以上にそいだ場合のぎん面のないほうさします。繊維が粗く弱いが価格が安いため、靴の部分に使用されます。クロムなめしの床革をバフしたものを「床ベロア」といいます。 床面[flesh side] 肉面ともいわれる、皮および革の裏面、ぎん面の裏側のこと。 トップ・パッド[top pad] トップラインのはき口にスポンジなどの芯を入れ、柔らかな素材で包みんで縫い付けたパッド。はき口の足当たりをよくするのがその目的で、スポーツシューズやカジュアルシューズなどに利用されます。 トップ・ライン[top-line] 靴のカットまたは“くり”。靴のはき口。 トップ・リフト[top lift or top-piece] ヒール本体が損傷しないよう、ヒールの先端に取り付けられる小片。革・ゴム・合成樹脂製などがあります。「トップ・ピース」「化粧革」「化粧」などともいいます。 ドレス・ブーツ[dress boots] ドレッシィな印象を与えるブーツ。中でも、踝(くるぶし)より少し深めの革製のデミ・ブーツ(アンクル・ブーツ)をさすことが多く、サイドゴアや内側のファスナー付きが一般的です。婦人用では、10cmから20cm丈の高めのヒールが付いています。 ドレス・シューズ[dress shoes] 本来はフォーマル・ウェア専用の靴だけをさしましたが、現在ではビジネス用シューズの総称として使われています。 トレッキング・シューズ[trekking shoes] 本格的な登山靴よりも軽く、歩くための機能を重視した「軽登山靴(ブーツ)」。防水性・耐水性に優れ、疲労を軽減する中敷やゴム底(ビブラム・ソールなど)に特長があり、若者のタウン・シューズとしても定着しています。「トレッキング・ブーツ」「ウォーキング・ブーツ」「キャンピング・ブーツ」ともいいます。 参考文献:エフ ワークス株式会社「靴の商品知識」より |