あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
<さ> サイズ・レンジ[size range] サイズ構成での最大から最小までの範囲。 サイド・シーム[side seam] 横はぎのことで、靴の甲部を内側で縫い合わせた縫い目。 サイド・レザー[side leather] 成牛皮は大きいため、製革作業がしやすいよう1頭の皮を背線にそって半分に截断し、製革します。このため、サイド・レザーは「半截(はんさい)」ともいわれます。 先芯[boxtoeortoepuff] つり込みの際に、表甲と裏甲の間に挿入する補強材。トウ部の形やトウスプリングを維持し、靴をはいたときに爪先が横にずれないようにする一方、外部からの衝撃を防ぎます。 天然皮革ではタンニンなめしのぎん付きおよび床(とこ)革、合成ものでは不織布に合成樹脂を浸み込ませたもの、薄い布類や上質の和紙、サーモプラスチック樹脂をアッパーの先裏にプリントするもの…、素材は目的に合わせてさまざま。 サボ[sabot] 木をくりぬいてつくった木靴。 サドル・シューズ[saddle shoes] 中央に馬の鞍(サドル)をおいたようにデザインの切り替えがあって、コンビネーションしたものが目立ちます。正式な名称はサドル・オックスフォード。 サドル・レザー[saddle leather] 馬具に使用する植物タンニンなめしの牛革。幾種もの厚みがあり、馬具の他にもさまざまな皮革製品に活用されています。 サンダル[sandal] 足のせ台の底部と、それを足に留めるストラップ(紐)の部分で構成されるはきもの。このスタイルにそったものであれば、ヒールの高低に関係なく、サンダルと呼ばれます。その語源は「板」(古代ギリシャ語またはラテン語)の意。古代エジプトから世界のあらゆる民族に愛用され、今日にいたっています。 <し> シームレス・シューズ[seamless shoes] 靴の甲側が一枚革できている靴。通常は爪革・腰革・先飾り革などに分かれているため、多くの縫い目ができるのに対し、シームレスタイプは、後に1本の縫い目ができます。 シープ[sheepskin] 羊皮をなめしたもの。薄く柔らかで、婦人靴や裏革などに使われます。品質に定評のあるインド産の羊皮は、とくに「インド・ヤンピー」と呼ばれます。仔羊革の場合は、「ラム」または「ラムスキン」といい、衣料革・高級手袋革などに多く用いられています。 舌革[tongue] 爪先革から足のインステップまで伸びている革。中でも、下端が短靴の爪先革に縫い付けられ、上端が紐部の下を通り、トップ・ライン前部まででているものは「ベロ」と呼ばれます。 渋なめし 「タンニンなめし」と同意。植物の幹根・葉などに含まれている植物性タンニンを使用したなめし。 植物なめし[vegetable tannage] 植物の樹皮(ケブラチョ・ミモザ・チェスナット)などから採ったタンニン剤でなめす方法。植物なめし革は、茶褐色で硬く、底革やぬめ革などに使われています。 革手芸におけるクラフトレザーの文様は、湿らせると変型しやすく、乾くと変型しにくい性質を利用しています。 シャンク[shank] 本来、足の土ふまず部の意味ですが、靴のこの部分に相当する個所も同様の呼び方をします。また、靴のシャンクに挿入する木・革・鉄・プラスチックなどの細長いバネ「シャンク・ピース」もシャンクと略して呼びます。中底に埋め込む、このシャンク・ピースは足のアーチを支え、体重がかかっても底に歪みを生じさせない役割を果たします。 シュー・ツリー[filler or tree] 包装・輸送・店頭展示の間に、靴の形や外観が変形しないよう、靴にはめ込む“詰めもの”。靴形になぞらえてつくられており、木・金属・厚紙・プラスチックなどを素材にしています。 シューホーン[shoe horn] 靴べら。革・プラスチック・骨・金属製などさまざまあり、長いものから手のひらに入る短いものまであります。 シュリンク・レザー[shrink leather] 独特のしぼ(しわ)が入った革。革をなめす際に薬品を加え、ぎん面を収縮させることによってつくり出します。 ジョドパー[jodhpurs] くるぶしの上まで覆い、ベルトを巻きつけてバックル留めした乗馬用のブーツ。「ジョドパーズ」または「ジョドプール」とも。 <す> スウェード[suede] クロムなめし革(仔牛・山羊・羊など)の裏面を細かいサンドペーパーで擦り、ビロードのようにけば立たせたもの。 スタックド・ヒール[stacked heel or built heel] 革の積上げヒール。最近では、革の積上げと同じ断面をシート状に加工し、これをプラスチックヒールの周辺部に貼り付けたものや、プラスチックヒールそのものに塗装仕上げしたものありますが、これらも「スタックドヒール」と呼ばれています。 ステア[steer] 生後3~6ヵ月以内に去勢し、2年以上経った牡の成牛皮。 ステッチ[stitch] ミシンなどによる縫い目。縫いつける機能より、単なる飾り・デザインのものもあります。 ステッチダウン式製法[stitch-downprocess] 靴の底付け法の一種。きわめてシンプルな製法で、甲革を外側につり込み、それを表底に張りつけて周辺を出縫機で縫製。裏革や先裏がつけられたアッパーの場合は、裏革ないし先裏を内側につり込みます。 ストッキング・ブーツ[stocking boots] あたかもストッキングのようなので、この名があります。筒の部分に非常に柔らかい革を使用。丈が腿のあたりまであります。 ストラップ[strap] 紐の意味ですが、靴では甲やアンクル部に使うバンドや細いベルトをさします。靴紐はレースといいます。 ストラップ・パンプス[strap pumps] 甲革に1~2本の紐をわたしたパンプス。 ストレッチ・ブーツ[stretch boots] 伸縮性のある合成皮革でつくったブーツ。よく伸びるため、ジッパーなども不要。靴下のように、ぴったりはくことができます。 ストレート・チップ[straight tip] 一文字飾りのこと。バンプ部を横切って取り付けられます。 スニーカー[sneaker] ゴム底の布製運動靴。足音がたたないため、スニーカー(忍び歩く人)と呼ばれています。 スネーク・スキン[snake skin] 蛇皮。大蛇・コブラ・水蛇などさまざまな種類が使われ、靴・カバン・ベルトなど広く用いられています。 スパッツ[spats] 短靴の上にかぶせ、足のくるぶしの部分を覆うフェルトや、リネン生地を用いてボタンとベルトで装着するカバー。20世紀初頭に流行。 スリッポン[slip-on] 紐などのない靴。紐やファスナー、美錠などで着脱しない靴をさしますが、飾りとしてバックルなどがついているものもあります。 スリング・バック[sling back] 「後部を吊る」の意で、靴のかかと部分を開いてベルトを回し、バックルまたはエラスティックで固定した婦人靴。一般的には「バックバンド」「バックストラップ」と呼ばれています。 スワール・モカシン[swirl moccasin] 靴のデザインのひとつ。「流れモカ」ともいいます。 <せ> セーム革[chamois leather] 仔鹿かシープスキン(羊皮)の床革を油なめしにより、スエード調に仕上げた革。非常柔らかく、しなやかなのことから手袋や衣料用、さらには洗浄用・研磨用にも使われています。 セーム革(シャミー・レザー)は元来、アルプス産・南欧産のカモシカの皮でつくられた柔軟な革だけを呼んでいました。 製甲 甲革を縫製してまとめる作業のこと。 セミ・パンプス[semi pumps] 爪先が開いたオープントウ、後の開いたオープンバックのパンプス。 セメンテッド式製法[cemented process] アッパーと表底を接着剤で接合する、靴の底付け法のひとつ。製法が簡単なうえ工程が短く、低コストですむため量産向き。現在、靴の製造はほとんどこの方法によってます。 センター・シーム[center seam] 靴の甲の前部縫い割りをいいます。 <そ> ソール[sole] はきもの底はすべてソールと呼びます。靴の場合には、とくにインソール(中底)とアウトソール(表底)をいいます。 そくい[足囲] 足の踏み付け部の親指と、小指の付け根を取り巻く長さ。 そくちょう[足長] かかとの後端から最も長い足指の前端までの長さをいいます。 底革[sole leather] 表底用になめされた革。通常、ステアハイドをタンニンなめしを施します。時代は「硬くて丈夫」を重視する実用一点張りから、ファッション性を重んじる時代へ。これにともない、軽くて曲がりやすいソフトソールが市場に出回るようになりました。厚さは紳士靴で4~5.5m/m、婦人靴では3~4m/mが一般的。 外羽根式[blucher] 「ブラッチャー」のこと。同項参照。 参考文献:エフ ワークス株式会社「靴の商品知識」より |