あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
<か> ガース[girth] 足の甲部の回りとその寸法のこと。ボール・ガース、インステップ・ガース、ウエスト・ガースがあります。 カーフスキン[calfskin] 生後6ヵ月以内の仔牛の革。原皮の重さが9.5ポンド以下のものをライトカーフ(革にして約90デシ)、9.5~15ポンドのものをヘビーカーフ(革にして130デシ)といいます。乳牛用種(ヘレフォード)などの牡(おす)が大部分。判が小さく薄手でキメ細かいものが最も上質とされます。 カウハイド[cowhide] 生後2年くらいの牝(めす)の成牛の皮で、原皮の重さ・30~53ポンドまでをライトカウ、53ポンド以上をヘビーカウといいます。正式には、牝成牛でも既産のものを「カウ」、未産のものは「カルビン」と呼びます。ぎん面はステアより細かいが、カーフやキップより劣ります。 カウボーイ・ブーツ[cowboy boots] カウボーイがはいているハーフ・ブーツ。半円形か山形にカットしたブーツ・トップ(頂上)、ステッチ飾りや穴飾りなどを施したサイド(脚部)、ガッチリしたキューバン・ヒールがこのブーツの“個性”です。 カウンター[counter] 表革と裏革の間に挿入する半円形の芯。足のかかと部を保護し、靴のこの部分の形を美しく保ちます。主な材料は、天然皮革ではぎん付きのぬめ革を用いた一枚ものと、床革を何枚か貼り合わせたもの。一方、合成品ではレザーボードとパルプボードとがあります。両方とも事前成型するため、一括して「モールド・カウンター」と呼んでいます。合成品では、さらに進んだ熱可塑性のものも開発されています。これについては、サーモプラスチック・カウンターあるいは「月型」ともいわれます。同項参照。 カクテル・シューズ[cocktail shoes] それほど正装を必要としないパーティや夜会のためにはかれた靴。デザインの多くは華やかさを特長としています。 型押し革[embossing leather] 革の表面を機械で加圧し、爬虫類・牛・山羊など、さまざまな模様を細工した革。 エンボス・レザーのこと。 カック[cack] ヒールのない、柔らかい革底の子供靴。 カッター・シューズ[cutter shoes] ヒールの低いパンプス。主にカジュアルシューズや学生靴として用いられます。 カミック[kamik] アザラシの革でつくられ、内側に毛皮が付いている、エスキモーのブーツ。 ガム・ブーツ[gumboots] ゴム長靴。ラバーブーツとも呼ばれます。 飾り革[cap or tip] 靴の甲部の先端部を覆う革片をさします。ストレート・チップ(一文字飾り)、ウイング・チップ(W飾り)などのザインがあります。 ガラス張り革[corrected grain leather] なめし・染色・加脂工程を終えた革を乾燥する際、ガラス板またはホーロー鉄板の上に張って乾かすことを「ガラス張り乾燥」、そしてこの乾燥後、革の表面をサンドペーパーでこすって(バフがけ)、その上に顔料と合成樹脂を塗って仕上げた革を「ガラス張り革」と呼びます。 革としての味がやや落ちますが、光沢があって丈夫なことから靴・カバン・袋物など、幅広く用いられています。 カリフォルニア式製法[california process] 通称、プラット式と呼ばれる製法。「プラットシューズ」の項参照。 皮・革[skinhide・leather] 動物からはいだ、なめす前のカワは「皮」、なめした後のものが「革」。 英語ではskinが「皮」にあたりますが、専門的には25ポンド以下の小動物の皮を「skin」、それより大きな皮は「hide(ハイド)」といいます。革は「leather」。 <き> 木型[last] 靴型の項参照。 木靴[wooden shoe] この種のはきものは昔から各地でにあり、いまでもフランス人やオランダ人の間ではかれています。アメリカでもビール製造業、染色工業など水を大量に使う工場の一部で使用されています。 木靴は各種あり、サボ(sabot)はオランダの木靴でしなの木、その他の軽い木のブロックをくりぬいてつくられます。クロッグ(clog)は、厚い木の底を付けた、がっしりしたシューサンダル、またはオーバーシュー。クロムペン(klompen)は、オランダ・ベルギー・ルクセンブルグなど水位の低い地方ではかれる木靴。そして、パトン(patten)は、東洋の国々ではかれている木靴または木の底を付けた靴。泥が足に付かないよう、底の両端に高い歯が付いてます。 キップ[kipskin] 仔牛(カーフ)と成牛の間・生後6ヵ月から2年ぐらいを中牛、その原皮(15~30ポンド)を中牛皮またはキップスキンと呼びます。また、これをなめしたものをキップまたはキップスキンといいます。 皮質はカーフより厚手になるものの、きめは細かく、カーフに次ぐ高級品。用途は、高級紳士靴・ハンドバッグ・ベルトなど。 キッド[kidskin] 仔山羊(こやぎ)の皮をなめしたもの。薄手のわりに丈夫で、感触が柔らかく、軽くて美しくい…。そんな特色から高級婦人靴などに使われています。 キャラバン・シューズ[caravan shoes] 軽登山用の靴。このキャラバン・シューズは、もともと商標で、それが一般名詞化して使われてきましたが、軽登山等の靴は現在、トレッキング・シューズと呼ぶのが一般的となっています。 キャリッジ・ブーツ[carriage boots] 靴やスリッパの上にはく婦人のための防寒用オーバーシューズ。布製で裏が付けられ、はき口は毛皮で縁取りされているのが一般的。古くは馬車の中、自動車が登場してからも同様に用いられ、冬の外出用として使われていました。 キャンバス・シューズ[canvas shoes] 運動用などではく、いわゆるズック靴のこと。甲部分の材料として、麻・綿などを用います。 キューバン・ヒール[cuban heel] ヒールの高さは5cmくらいの中ヒール。底とつながる前の部分が太く、垂直になっており、底に向かい自然に細くなっているもの。 矯正靴[orthopedic shoes] 足の変形、疾患の緩和・矯正・治療のためにつくらた靴。通常、医師の意見に基づき、専門の技術者がつくります。 ギリー[gillie or ghillie] スコットランドの用語。舌革のない、編上げになったローカットのスポーツ用短靴。通常、紐は前で交叉させて編み、足首にその紐をまきつけてはきます。中には、紐先にフリンジ(房)の付いたものもあります。 ぎん面[grain] 脱毛した裸皮ないしは革の表面(皮の表皮層のすぐ下の部分で、真皮層の外面)のことをいいます。この層は繊維組織が緻密なため、美しく丈夫。ぎん面のある革をぎん付き、そして、この部分を削り取った安価なものを、床皮(とこがわ)と呼んで区別しています。 <く> クォーター[quarter] 靴の腰革。足のくるぶしを包み、前方で紐を締める甲革の部分。 鎖縫い[chain stitch] チェーン・ステッチのこと。 靴型[last] 木型およびラストともいわれ、靴のデザインと機能を決める最も重要な要素のひとつ。従来、木でつくられていましたが、最近はプラスチックが主流を占めつつあります。その他、ケミカル・シューズの産地ではアルミ製のものもあります。 靴紐[lace] 締めぐあいを調節することによって、つねに靴が足によくフィットするようにするもの。主に靴のインステップ部に取り付けます。材料は、天然繊維・合成繊維・皮革など。平紐は表はとめ用、丸紐は裏はとめ用として使われることが多いく、単なる飾りとして用いられる場合もあります。 グッドイヤー・ウエルト式製法[goodyear welt process] 機械を使った製靴法としては最も古く、現在でも特に紳士靴の代表的な製法として採り入れられています。 クラコー[crakow] 14~15世紀にはかれたかかとのない、爪先が極端に尖った男性用シューズ。名称は、ポーランドの中世期の都・クラコー市(1320~1609)にちなんだもの。 柔らかい底を守るため、下に木製のサンダルを着用していました。プーレーヌ、シュナーベルも同じタイプの靴。 グランパ・ブーツ[granpa boots] ボタンド・ブーツとかボタンド・シューズとも呼ばれ、くるぶしがスッポリかくれるほどのボタン留めブーツをさします。紐結びのシューズとともに、19世紀末に流行したスタイルのひとつ。 グレイン・レザー[grain leather] ぎん面を使用するように仕上げた革。 クレープ・ソール[crepe sole] クレープラバー(酢酸でラテックスを凝固させたラバー)でつくられた靴底。表面には波状・しぼ状などの模様がついています。 グレージング[glazing] なめしの仕上げ工程で革の表面をこすり、美しい光沢を出す作業のこと。仕上げにはグレージングやジャッキーを使います。 クロムなめし[chrome tannage] 植物なめし(タンニンなめし)に対して鉱物なめしのことをいい、現在これが主流となっています。工程はそれぞれ異なっていても、すべてクロム塩(硫酸クロム・重クロム酸ナトリウム・カリウム塩など)を使用します。このなめし製法はキッド、カーフほか成牛皮などの甲革用のなめしに採り入れられています。 グローブ・レザー[glove leather] 以下のような手袋用の革をさします。 ・牛革・馬革・シープスキン・豚革に代表される実用的な手袋。 ・シープスキン・ラムスキンに代表される衣装用手袋。 鹿革・豚革・ゴートスキン・モカスキンはほとんど使われません。 <け> 化粧革[top lift] 「トップ・リフト」と同意。同項参照。 健康靴[health shoes] ローヒールで、トウは足指が自由に動くゆったりとしたデザイン。かかとの支持性が高く、解剖学に基づいた立体設計の中敷が使われているのが、一般的。 原皮[hide or skin] なめす以前の革の原料。塩蔵皮の状態をいいます。 わが国の原皮は、その80%以上を海外に依存。しかも、製革の中心となる牛原皮ではその率が90%にも及び、90%のうち約80%が米国から輸入されています。米国・シカゴのコロラドステア(成牛で腹に焼印のあるもの)の取引き価格が、世界の原皮価格の指標となっています。 <こ> コート・タイ[court tie] イギリス王室の儀式で用いられる正式の靴。これには規定があり、紳士はトップラインのカットの浅いエナメルのオックスフォード、婦人は二つないし三つはとめのブラッチャーと決められています。 ゴート[goat] 山羊の皮をなめしたもので、羊革より繊維の密度が高く、肌が硬くて丈夫。仔山羊の革は「キッドスキン」といいます。同項参照。 コードバン[cordovan] 植物タンニンなめしを施した馬の尻部の革。繊維組織が緻密で丈夫なこの皮は、極めて美しい光沢の革に仕上がります。用途は、高級紳士靴・時計バンド・ベルト・乗馬用の革ゲートルなど。 「コードバン」は、スペインの「コルドバ地方」に由来し、アラブ文明時代の優れた製革法として知られています。 ゴア[gore] ゴムを織り込んだ伸縮性のある生地。この素材の利点は、靴の着脱を早く容易にし、靴を常に同じ状態で足にフィットさせておくことができる点です。 ゴア・ブーツ[gore boots] はき口から側面にゴムテープを縫い込んだアンクル・ブーツの一種。サイドゴアともいわれます。 コイン・シューズ[coin shoes] 「ローファー・シューズ」に同じ。同項参照。 甲革[upper leather] 靴の甲部に用いる革の総称。クロムなめしの牛革が中心。 合成底[composition sole] 靴底が、合成樹脂や合成ゴムでつくられたものをさします。 合成皮革[composition leather] 綿をはじめ、他の繊維による織布やメリヤス地を基布として使い、その表面層を連続気孔のあるポリアミド(ナイロン)か、ウレタン樹脂でコーティングしたもの。 綿メリヤスとスポンジ状および膜状の塩化ビニール樹脂と組み合わせものは、合成皮革と区別して「ビニール・レザー」と呼びます。 腰裏[quarter lining] 腰革の裏に取り付けられる革。 腰革[quarter] 「クォーター」ともいわれます。同項参照。 コトルノス[cothurnus, kothornos] 「バスキン(buskin)」とも称され、古代ギリシャ・ローマの悲劇俳優がはいた半長靴のこと。底は厚いコルク製。神々や英雄を演ずる役者に、威厳を与えるために考え出されたものといわれています。 こば[edge] 靴の内側ふまず上がりから、爪先をへて外側ふまず上がりに至る縁回り(エッジ)。かかと部を含めた全周の縁回りは「ダブル・エッジ」と呼ばれます。 混合なめし[combination tanning] クロムなめしとタンニンなめしの両方を併用すること。「コンビなめし」ともいいます。 コンフォート・シューズ[comfort shoes] 柔らかい革を用いた低い靴のことで、文字通り快適なはき心地を追求したシューズ。フットベッドを採用したものが多くを占めます。はき心地がよいため、男女を問わず支持されています。 参考文献:エフ ワークス株式会社「靴の商品知識」より |