あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行
<あ> アーチ[arch] 足のかかとからボール(土ふまず部)までを支えているアーチ状の部分。 アーチサポート[arch support] 足の土ふまず部のアーチを補佐するために、靴の内側の土ふまず部にあてがうもの。 アイレット[eyelet] 靴紐を通す穴(はとめ)。例えば「二ツはとめ」なら2アイレット、「五ツはとめ」なら5アイレットといいます。 アウト・ソール[outsole] 本底または表底ともいわれ、靴底部の床面に接する部分およびその材料をさします。材料として革・クレープ・合成ゴム・スポンジ・ウレタン・ウッド・コルク・ジュートなどがあります。 足入れサイズ[nude size] その靴にフィットする足のサイズを示す、靴のサイズ表示法のひとつ。日本の靴サイズ表示は足入れサイズのため、足長23cmの人は23と表示された靴がフィッティングの目安になります。 表示法には、靴型の大きさを表す「靴型サイズ」もあります。 アッパー[upper] 靴の甲の部分(底部を除く上部のすべて)を表す総称。 穴飾り[punch-hole] アッパー部に、連続的・規則的に小さな穴をあけて描いた飾りのこと。メダリオンがその代表的な例。 アニリン仕上げ[aniline finish] 合成塗料の一種であるアニリン塗料を使い、ぎん面の模様を効果的に浮き出させた透明仕上げの革をさします。主に高級なカーフ、キップなどの仕上げに使用されます。 編み上げ[laced boots] 羽根の縁に取り付けられたはとめやフックに、靴ヒモを通すか、引っかけるかして編み上げてはくブーツ。 アメリカ・サイズ[American size] アメリカを中心に用いられている靴のサイズ表示法。 足長はイギリス・サイズ同様、インチで表記。ただ、起点となる「0」の位置がイギリス・サイズより12分の1インチだけかかとの方に寄っています。したがって、例えばイギリス・サイズで7(インチ)の人は、アメリカ・サイズでは、それより大きなサイズ表示の靴がフィットすることになります。 足囲の表示はAAAA、AA、A、B、C、D、E、EE、EEEというように多種類あり、後者ほど幅広(4分の1インチ等差)になります。また、日本のサイズ表示は足入れサイズですが、アメリカでは靴型の大きさを表示する靴型サイズとなっています。 アルバート・ブーツ[albert boots] 足のくるぶしの上までのブーツで、その名はイギリスのプリンス・アルバートが愛用したことに由来します。両側面にゴム布(ゴア)が縫いこまれているため、「サイドゴア」ともいわれるもの。「チェルシー・ブーツ」「フラメンコ・ブーツ」とも呼ばれ、はき口の前後につまみ(プルストラップ)が付いています。 アンクル・ストラップシューズ[ankle strap shoes] バックベルト・サンダルなど、足のアンクル(くるぶし)部にベルトを配した靴。 アンクル・ブーツ[ankle boots] はき口がくるぶしまでの深さのブーツをいい、デミ・ブーツ、チャッカー・ブーツ、アルバート・ブーツなどがその例です。 安全靴[safety boots] 足の爪先を護るために、トウの内部を金属のカップなどで補強した作業靴。 アンティーク仕上げ[antique finish] アンティーク調を出すために、革や靴の甲部分に特殊な仕上げを施したもの。 <い> イギリス・サイズ[English size] イギリスで伝統的に用いられてきたもので、世界的に流通している靴のサイズ表示法。足長は踵点(かかとの一番出っ張ったところ)から4インチ(約101.6ミリ)のところを起点(0)とし、そこから3分の1インチ(約8.5ミリ)等差で1、2、3と進み、13と2分の1までくると、再び1に戻って 2、3、4と進みます。 足囲は靴型サイズをとり、4分の1インチ(約6.4ミリ)等差でC、D、E、Fと表示。EE、EEEなどは使いません。 一枚甲[whole cut] 靴のアッパーを1枚の革でつくったもの。縫い目が後部縫い割りしかないことから、「シームレス・シューズ」ともいわれます。 アッパーは通常、幾つかのパーツを縫い合わせてつくられます。 イブニング・シューズ[evening shoes] 夜会にはく靴のこと。婦人用は一般にかかとが高く、パンプス、サンダル型の繊細かつ優美なデザインのものが一般的。材料は金銀色の革や服と同様の布(サテン・ブロケード・ラメなど)を使い、宝石などで装飾したものもあります。紳士用は、プレーンな総エナメルが主流となっています。 インジェクションモールド・システム[injection moulded system] 塩化ビニール(P・V・C)を熱で溶かし、金型に注入して靴をつくる方法。この射出成型による製靴法は、レイン・ブーツなどオール・ビニール性の靴に採り入れられています。最近では生産性・耐久性に優れていることから、革靴の底付加工にも採用されています。 インソール[insole] 靴の部分にあたる「中底」を意味します。同項参照。 インナーソール[inner sole] 靴の中に入れる中敷。革や繊維、化学素材でつくられ、足裏をかたどったものもあります。 <う> ウイズ[width] 足の踏着部の幅。同じ部分の回り寸法は、足囲(そくい)と呼ばれます。 ウイング・チップ[wing tip] アッパーの爪先部分を、鳥の翼のような曲線で描いたデザイン。穴飾り、ステッチ、あるいは切り返しで表現されます。日本では、おかめの面の髪の生え際の形に似ているため、「おかめ飾り」とも呼ばれていいます。 ウエッジ・ソール[wedge sole] 靴底のデザイン。上げ底型と呼ばれるくさび形の靴底。 ヒールつきのフラット・ソールです。 ウエスト[waist] 足甲部のボール部とインステップ部の中間に位置する最もくびれた部分。その回りをウエスト・ガースといいます。 ウエリントン・ブーツ[wellington boots] 主にイギリスで軍靴として用いられた、男子の革製乗馬用ブーツ。ブーツの脚部がズボンの下になるよう、少し短くしたウエリントンは、ハーフ・ウエリントンと呼ばれます。 ワーテルローの戦いでナポレオン1世を破ったイギリス軍の総帥・アーサー・ウエルズリー将軍(ウエリントン侯爵)にちなんでつけられた名称。 ウエルト[welt] 靴の甲革と底革の縫い目の間に入れる細革。 ウエルト・シューズ[welt shoes] 細革(ウエルト)によって本底が縫いあわされている靴。グッドイヤー・ウエルト式がこれにあたりますが、グッドイヤーは機械縫い。最近は手縫いのウエルト・シューズが注目されつつあります。 内羽根式 紳士靴のはき口の分類のひとつ。「バルモラル(balmoral)」の項、参照。 裏はとめ[invisible eyelet] 腰裏に挿入して固定し、アッパーの表面から見えないようにしたハトメ(靴ひもを通す穴)。これは主にデザイン上から考えられた形ですが、機能は「表はとめ」と全く変わりません。 裏革[liningl eather] 靴の甲革の裏面につけられるもので、これにより甲革の補強や、足触りをよくすることができます。使われている素材は山羊・馬革・豚革・合成皮革など。通常、靴の先端部の「先裏」と後方部の「腰裏」に分かれています。 ウレタン・ソール[urethane sole] 発泡したポリウレタン樹脂であるため、合成ゴム底より軽いうえ、約2倍の耐摩耗性・耐油性があります。弾性が大きく、復元性に優れていることも特長のひとつ。 <え> エスパドリーユ[espadrille] フランスの海岸地方ではかれていた「わらじ風」のサンダルがその端緒。英語ではエスパドリエ、エスパドリルとも呼ばれます。底やヒールの周辺に編んだ麻紐を使用しているため、水に強いというのが特長。なかには、紐がついていて甲の部分から足首にかけて結ぶタイプもあります。 エッジ[edge] 靴の底のまわりにでている端(エッジ)の部分のこと。コバともいわれます。 エナメル・レザー[enameled leather] ぎん付き革(クロムなめしのカーフ・キッド・馬革など)のぎん面に、ニスまたは樹脂を塗って光沢を出したもの。パテントレザーともいいます。 エルク[elk] 本来は大鹿(エルク)の革でしたが、現在では牛のクロムなめし革を肉厚にし、エルクに似せて柔らかく揉んだものを“代用”しています。したがって、「エルク仕上げの牛革」と呼ぶのが正確な表現。特色はぎん面の粗めのしぼ(しわ)。 塩蔵[えんぞう] 原皮は保存や輸送過程で腐敗しないように塩蔵(塩づけ)します。方法は二通りあります。 1.撤塩法 岩塩をふりかけた原皮を1枚1枚重ねて塩づけにする。 2.塩水法 原皮を95%以上の飽和食塩水を入れたバットの中で、ほぼ1日撹拌しながら漬け込みます。その後、48~62時間水切りし、少量の新しい塩を肉面に撒いてから輸送します。 エンボス・レザー[embossing leather] 革のぎん面に加熱高圧プレスで型をつける「型押革」のこと。このデザインは、主にクロムなめしの牛革に施されます。革には独特な模様がつけられ、原皮の生体時の掻きキズ、軽い焼印、虫食い穴などを目立たないようにする目的もあります。 <お> オーストリッチ・レザー[ostrich leather] いわゆるダチョウの革。ダチョウは羽根を抜くと、丸く盛りあがった面白い模様がつきます。高級袋物やベルトなどによく使われるのは、革が丈夫なため。 オーソぺディック・シューズ[orthopedic shoes] 整形外科靴…足の機能的欠陥や異常を調整・軽減・治療を目的に、特別にデザインされた靴。多くは医師の処方により、既製と注文製とがあります。 オーバーシューズ[over shoes] 雨の時などに用いる、靴の上にはくシューズ。当然、ビニールなど防水性の素材を使います。通常はブーツ(boot)型。防寒用の室内ばきも、同様にオーバーシューズと呼ばれます。 オープン・トウ[open toe] 靴のスタイルの一種で、爪先の開いたもの。 オイルなめし[oil tannage] 動物油(一般に魚油)を使って革をなめすこと。特別なソフト革の製造に使われています。 おかめ飾り[wingtip] 「ウイングチップ」参照。 オックスフォード・シューズ[oxford shoes] 足のくるぶしより下でカットされた紐付きの靴。普通「短靴」と呼ばれます。 オブリック・トウ[oblique toe] 「トウ」の靴型の一パターンで、爪先が外側へ斜めにカットされているものをいいます。 オペラ・パンプス[opera pumps] 爪先に絹のリボン飾りの付いたパンプス。夜のフォーマルウェアに用います。素材はエナメル革、光沢のあるスムース革もしくは布。ルイ(ハイ?)・ヒールの婦人用と低いヒールの紳士用があります。 表底[outsole] 靴の底部の、床面に接する部分およびその材料。別名、本底、アウトソール。 参考文献:エフ ワークス株式会社「靴の商品知識」より |