アッパーと底材を接着で貼り合わせる製法です。略して「セメント製法」とも言います。日本には1949年に入ってきた技術で、縫い糸を使わず靴が造れることで、当時量産の難しかった靴に画期的な技術革命をもたらしました。国内では、1952年頃から本格的な量産に入り、現在では接着剤の進歩とともに、かなり多くの靴がこの製法で造られています。材料を選ばない製法のため、多種多様なデザインや素材を使った靴を造ることが可能になりました。中物には一般的に、クッション性のよいスポンジ素材(フェルトなど)が使われています。
どんな材質の靴にも対応できる製法のため、靴のデザイン性の向上には非常に貢献したと言えます。コストパフォーマンスは良く、接着剤で貼り付けるため耐浸水性にも優れますが、排湿性は低く、足にもなじみにくい欠点があります。現在流通している靴の9割はこの製法によるそうです。
<長所>
製造コストが安い。
耐浸水性にも優れている。
<短所>
排湿性に劣る。
足に馴染みにくい。